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CloudNative Days Fukuoka 2023、GoogleによるGKE上のGateway APIの解説セッションを紹介

2023年11月1日(水)
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
CloudNative Days Fukuoka 2023から、Googleの内間和希氏によるGKE上のGateway APIを解説するセッションを紹介する。

2023年8月3日に福岡で開催されたCloudNative Days Fukuoka 2023から、Google Cloudのプリセールスエンジニアである内間和希氏によるGateway API及びDataplane V2を解説するセッションを紹介する。

●動画:

セッションを行う内間氏

セッションを行う内間氏

内間氏はKubernetes上で開発したアプリケーションサービスの外部公開の方法においてIngressがこれまで使われてきたことを確認したうえで、最新のGateway APIとDataplane V2を解説した。

ThinkITでは2022年にCNCFの動画などを使ってGateway APIを解説する記事「Kubernetesの新しいネットワーク機能、Gateway APIを理解する」を前後編に分けて公開しているのでそちらも参考にして欲しい。

●参考:
Kubernetesの新しいネットワーク機能、Gateway APIを理解する(前編)
Kubernetesの新しいネットワーク機能、Gateway APIを理解する(後編)

本セッションではGKEの使用を前提とする

内間氏はまずGoogleのマネージドKubernetesであるGKE(Google Kubernetes Engine)を紹介。このセッションではGKEをベースに説明をするので、前提として知っておいて欲しいという意味だろう。全体的にGKEをベースにした解説になっているのは、プリセールスエンジニアという立場上、仕方がないのかもしれない。

前提として解説されたGoogleのマネージドKubernetesのGKE

前提として解説されたGoogleのマネージドKubernetesのGKE

そしてGKEの最近のネットワーク関連のアップデートとして、GKE Gateway Controller、Dataplane V2がここ一年間のホットなキーワードとして挙がっていることを紹介。

GKE Gateway ControllerはGateway APIをGoogleが実装したカスタムコントローラー

GKE Gateway ControllerはGateway APIをGoogleが実装したカスタムコントローラー

Gateway API

一般的なKubernetesの構成であればサービスを外部に公開する際のリソースはIngressである。シンプルな使い方であればIngressで問題はないものの、さまざまなアプリケーションが存在し、それぞれに細かくアクセス制御を行うような使い方をしたい場合、Ingressだけでは機能が足らなくなる。またシンプルなIngressをニーズに合わせて複雑にカスタマイズするというのは想定された使われ方ではなく、この状況を打破したいというのがGateway APIの発想だ。

Gateway APIは次世代のAPIリソース。役割分担をリソースにも反映

Gateway APIは次世代のAPIリソース。役割分担をリソースにも反映

Ingressではデベロッパーがネットワーク管理者の領域まで考慮しなければいけないような状況になっていたものを、ロールやプロトコルに合わせてモジュールを分割することで将来に渡って安定したネットワークスタックとして設計されている。

Gateway APIの特徴を解説

Gateway APIの特徴を解説

スライドではGateway APIの特徴として「ロール志向」「多くの機能をサポート」「高い拡張性」が挙げられている。

シンプルなIngressからGateway APIに移行することでロールを使った管理が可能

シンプルなIngressからGateway APIに移行することでロールを使った管理が可能

Ingressがnamespaceをベースにしたシンプルな実装だったのに比べ、インフラに近い部分の実装、管理者の役割の分離、プロトコルごとにRouteを作ることが可能などの機能によって、より複雑な構成、アプリケーション、セキュリティなどのニーズに応えることができると説明。

ここからはGateway APIのリソースをGateway Class、Gateway、HTTPRouteの3つに分けて説明を行った。

Gatewayリソースの解説

Gatewayリソースの解説

そしてGKEにおけるGateway APIの実装例を挙げて、コントロールプレーン、データプレーンの構成を解説。リソース定義のGatewayが実際にはGKE Gateway Controllerによって実現されることがわかる。

またGateway APIはサービスメッシュを実装するIstioやLinkerdなどからも利用されているとして、サービスメッシュ関連のソフトウェアについてもGateway APIの活用が始まっていると説明した。ただしGoogle謹製のAnthos Service Meshなどでは一部サポートという状態だ。

サービスメッシュもGateway APIに対応

サービスメッシュもGateway APIに対応

またIngressだけでは実装が難しかったマルチクラスターにおけるトラフィック制御もGateway APIのスコープに入っているとして、ヘッダーを使ったルーティングやブルーグリーンデプロイメントによるトラフィック分割も実装できることを説明した。

Dataplane V2

後半はDataplane V2についての解説を行い、iptables/Calicoベースのデータプレーンネットワークから、eBPFをベースにしたCiliumによるネットワークを次世代のネットワークデータプレーンであると紹介した

Dataplane V2を解説

Dataplane V2を解説

特にオブザーバービリティやセキュリティにおいて多くの機能が提供可能になったことを強調した。

ここではeBPFについても簡単に触れ、Linuxカーネルの変更を行わずにカーネルモードでサンドボックス化された実行を可能にするテクノロジーとして紹介。

eBPFについて簡単に紹介

eBPFについて簡単に紹介

その実装例としてCiliumを紹介。高いパフォーマンスと大規模システムに対応するスケーラビリティを持つネットワークスタックであることを解説した。Dataplane V2においては多くの機能がデフォルトでオフになっていること、FQDNによるネットワークポリシー設定が可能なこと、オブザーバービリティにおいてはHubbleを使っていることなどを紹介した。

Hubbleを使ったオブザーバービリティ

Hubbleを使ったオブザーバービリティ

最後にまとめとして次世代APIであるGateway API、eBPFの概要を紹介し、GKEにおいてもシングルクラスター用のGateway APIとDataplane V2がすでに利用可能となっていることを紹介した。Googleのプリセールスエンジニアという立場から、他のパブリッククラウドやオンプレミスでの実装例には触れず、あくまでもテクノロジーの解説、そしてGKEの宣伝を行ったというセッションとなった。

セッションのまとめ。プリセールスエンジニアという立場が現れている

セッションのまとめ。Googleのプリセールスエンジニアという立場が現れている

著者
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
フリーランスライター&マーケティングスペシャリスト。DEC、マイクロソフト、アドビ、レノボなどでのマーケティング、ビジネス誌の編集委員などを経てICT関連のトピックを追うライターに。オープンソースとセキュリティが最近の興味の中心。

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